こんにちは!こがらし時計店店長の小林です。
今回紹介するのが、“世界で最も注目されているダイバーウォッチ”ROLEX「サブマリーナのオマージュウォッチ」PAGANI DESIGN PD1639となります。
サブマリーナの歴史
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年齢問わず誰が身につけていても上品な存在感を放つ、ROLEXの象徴的モデルとしても呼び声が高いサブマリーナ。今となってはメジャー中のメジャーとなったシリーズですが、その歴史の始まりは1953年。
100m防水、潜水時間を計測するための回転ベゼル、海中の暗所作業でも時間がわかる蓄光塗料を搭載した、ダイバーのために作られた時計です。
そんなサブマリーナは当初から莫大な人気を誇っていたわけではなく、数々の映画スター達によって世の人気を着実に掴んでいくことになります。
代表的なスターは、やはりスティーブ•マックイーン。
出典元:https://www.jaztime.com/blog/steve-mcqueen-rolex/
当時のハリウッド映画は、時計を“セットの一部“として扱っておらず、演者は自身の好きな時計を身につけていました。マックイーンは1970年代を通してサブマリーナと共に出演していたため世間に広く知れ渡り、ダイビング目的ではなく、日常的に使える時計として人気を博すことになり今なお選ばれ続けている時計です。
そんなサブマリーナの定価は約110万円。
オマージュウォッチであれば1万円台で購入できますが、「安っぽく見えるのでは?」と思ってしまう方もいるかと思います。そんな疑問を解決するべく、PAGANI DESIGN社製PD1639。詳細に渡ってお伝えします。
PAGANI DESIGN PD1639の実機紹介
黒×黒
本機についてまず思うのが、黒の回転ベゼルに黒のダイヤル。全てが黒に統一された落ち着きのある時計だということ。
中には「ありふれている」「シンプルで面白みのない時計」と思う方もいるかもしれませんが、そんな言葉で片付けられるほどチープなものではなく、「光沢のあるセラミック素材の回転ベゼルに彫り込みメモリ」「サイクロップレンズに映し出されるデイト表示」「青色に発光する蓄光塗料」「時針の形状」「インデックス」「ロゴ」どれをとってもお洒落で、一切の妥協を感じないデザインなんです。
逆回転防止セラミックベゼル
ベゼルは逆回転防止ベゼル。ダイビングウォッチとして誕生した本家サブマリーナの一番の特徴を、PAGANI DESIGNはただの飾りではなく回転するベゼルとしてしっかり施してくれました。
この回転の小気味良さがたまらず、手元にある時は無意識のうちにくるくると回転させてしまうことが度々あります。
残念なことに私はダイビングをした事などなく、もちろん潜水時間の計測に使った事は一度もありませんが、通勤にかかる時間や事務作業にかかった時間など、事あるごとに無駄に回転させ、勝手に“罪滅ぼし“をしています。
ベゼルの素材は、「高硬度」「高光沢」で知られているセラミック。酸化して錆びることもないため、損傷しない限りいつまでも輝きを保ちます。
ステンレス素材でも十分な光沢ですが、やはりセラミックは別格。太陽光や照明の元で使用すると1万円台の時計とは思えないほどの高級感があります。
メモリは彫り込み式。同じ彫り込み式でもPA2105(GMTマスターⅡオマージュ)とは文字の形状が違いスタイリッシュなストレート文字。華やかさのある時計としてではなく、よりフォーマルに落ち着いた印象を与えるために相応しい字体でしょう。
経過時間を計測しない通常時は回転ベゼルの「▽」を12時位置に固定しているのですが、このメモリにある「◯」は蓄光機能つき。これもダイビングウォッチとしての機能で、暗所における作業時にも経過した時間がわかるようになっています。
10気圧防水
文字盤を見てみましょう。
3針にデイト表示のみの、しつこさの無いシンプルなデザインです。立体的に配置されているインデックスも蓄光機能があり、文字盤の視認性向上のため大きめに作られています。縁はステンレスで囲われ、落ち着きのある本機に華を添えてくれるます。そのおかげで回転ベゼル同様に太陽光や照明の元では違う表情を見せ、どの場面でもふと手元に目線がいくような美しさが。
文字盤にも表記されていますが、10気圧/100m防水も魅力な点。「日常生活強化防水」と呼ばれ本格的なウォータースポーツにも耐えられる程。スイミングや素潜りをされる方は問題なく使用できますし(リューズや裏蓋を密封する必要あり)、日常使いでも汗や汚れが気になるときは時計自体を丸洗いできるため、常に清潔に保てるメリットも持ち合わせています。
側面のリューズ表面にはPAGANI DESIGNのロゴ。円の中は粗めなマット感のある研磨がなされ、ロゴそのものは光沢のあるポリッシュ仕上げ。差が明瞭でロゴが際立って見えるのも良いところ。
側面は全てポリッシュ仕上げ。リューズガードまで丁寧に光沢研磨されているため艶があり、この光沢が時計全体をまとめ上げているようにも感じます。
質実剛健
ブレスレットは3連となっています。正に質実剛健。決して気取らずに歴史を作り上げてきた本家サブマリーナですが、もしカジュアル派に流れて5連ブレスレットにしたり真ん中列をポリッシュ仕上げなどしようものなら、腕時計ファンの反感をかっていたことでしょう。
70年間ひたすらに買い求められてきたその理由をしっかり知っているからこそのサテン仕上げの3連ブレスレット。これが多くのファンを離さない所以とも言えるでしょう。
裏蓋はシースルースクリューバック式。機械式時計の良さは時計表面だけではなくムーブメントにもあると私は考えています。
テンプが揺れ動く様子やローターが激しく回転する様はどれだけ見ても飽きがこないものです。実際に手に着けてみると見えなくなりますが、どこか秘密を隠しているような大人びた感じがまた、良いものですよね。
ムーブメントは安心の日本製「御代田8215」
「1人でも多くの人の手に、良質な腕時計を」
MIYOTAは、世代を超えた不変の価値を提供し続けます。
https://miyotamovement.com/jp/about/
この理念の通りムーブメントの製造に力を入れており、「安価で高精度」な物を製造する能力に長けています。当ストアで取り扱っている時計の多くが御代田ムーブメントで、日本製のため安心してご購入いただく方が多いです。
また、機械式時計を持つ以上3〜5年に一度オーバーホールをしなければなりませんが、パーツを組み替えたり修理せずにムーブメントを丸々変えるといったこともできます。御代田8215ムーブメントは数千円で購入できるためオーバーホールも非常に安く済むためメリットだらけの製品です。
実際に手に着けた状態です。私は手首が細いので(15.5cm)ベルトを上下3個ずつ外して調整しています。
ケースサイズは41mm。私には若干ですが大きく感じ始めるサイズ感です。とはいえさすがサブマリーナのオマージュ。黒に統一された時計のフェイスが肌色にぴったりマッチします。白は例外ですが、色のある文字盤の場合、服装のカラーとミスマッチをしてしまうことが往々にしてあります。
その点、本機のように大人びた上品さを纏ったブラックフェイスは、本質であるダイビング用にも、スーツやカジュアルな私服にもカメレオンのように適応する能力を持っています。